2013年9月10日PM7時04分更新

血液検査項目【γ-GTP】(γ-グルタミルトランスペプチターゼ)について知っておこう


γーGTPとは

健康診断の血液検査項目で目にする「γ-GTP(ガンマジーティーピー)」。主に肝臓などの状態を知るための検査項目です。値が高い場合どのようなことが懸念されるのかまとめてみました。

γ-GTPの役割

γ-GTPはγ-グルタミルトランスペプチターゼの略称です。γ-GTPは肝臓や腎臓・すい臓・脾臓・小腸や生殖器などにも広く分布している酵素です。特に腎臓での作用が高いとされていますが、血液検査上では主に肝臓の状態を推し量る項目となっています。γ-GTPは肝臓にて解毒や抗酸化作用に関わる酵素で、細胆管や毛細胆管の細胞膜などで機能しています。γ-GTPは通常、細胞内に存在していますので、血中にはあまり存在しない酵素ですが、何らかの影響で細胞が破壊された場合、血中に流出することになります。その為「逸脱酵素」と呼ばれています。

γ-GTP自体は血中に放出されてもなんら悪さをしませんが、血中濃度が高値となっている原因がなんであるかが重要になってきます。γ-GTPの正常値は男性が50国際単位(50IUと表記します)以下、女性が32国際単位以下とされています。

γ-GTPが高まる理由

脂肪肝などの肝機能障害が原因の場合

γ-GTP値が高い場合、もっとも懸念されるのは脂肪肝です。脂肪肝とは肝臓で脂肪処理が追いつかず、肝細胞が脂肪を溜め込んだ状態をさします。肝臓全体の一割以上が脂肪を溜め込んでいる場合、脂肪肝と診察されます。これは食べ過ぎや飲みすぎなどで、糖の処理、アルコールの処理など肝臓の仕事が増えるために脂肪処理が後回しにされてしまうことで起きます。

脂肪肝

脂肪を溜め込んだ細胞はある一定量になると破裂してしまいます。その時にγ-GTPが流出し血中濃度が高まります。肥満の場合は脂肪処理の多寡がそのまま肝機能低下につながり、脂肪肝を引き起こす恐れがありますが、肥満などが無い場合は、主にアルコールの飲みすぎが原因となって肝機能が低下することが多いことから、γ-GTP値のみが高値だとアルコール性脂肪肝が懸念されます。

他の検査項目との兼ね合いもありますがγ-GTP値が100IU以下であれば、それほど心配することはなく、お酒が原因であれば、一週間くらい禁酒すると短期的に値が下がり、正常値に近づきます(もちろん維持するには節酒・禁酒の継続が必要です)。

しかし100IUを越している場合はある程度厳格な節酒・禁酒が必要になってきます。200IUを越してくると著しい肝機能障害となり完全な禁酒・生活習慣の改善など本格的な治療が必要になります。脂肪肝は進行すると肝硬変になる可能性があり、肝硬変になると治療が困難になります(一般的に肝硬変は治らないとされています)

胆道疾患が原因の場合

血中値が200IU以上になっている場合、胆道疾患の懸念がでてきます。胆道結石や胆道がんなどによって胆道がつまったり損傷した場合はγ-GTPが血中流出することになります。胆道疾患の場合は疾患による痛みなどの自覚症状が少なからずある為、脂肪肝のように気がつかないことが少ないとされていますが、初期症状では自覚症状がない場合も多いので注意が必要です。

胆道

胆道疾患の場合、通常は他の検査項目でも異常値がでる可能性が高いです。また胆道疾患が進行し閉塞性黄疸症状がでるほどになると血中値は500IUを越す場合があります。この状態は稀ですが、非常に危険で重篤な状態とされています。

その他の理由

薬の飲みすぎ(オーバードーズ)や飲み合わせなどの理由で、肝臓での薬物分解や解毒化が間に合わず薬物性肝障害を起こす場合がありますが、この場合もγ-GTPの血中濃度は高まります。薬を長期間飲んでいる場合もγ-GTPの血中濃度が高まる場合があります。

生活習慣が原因の場合がほとんど

γ-GTPはどちらかというと生活習慣の悪化(飲みすぎ・食べ過ぎ)で高値になる検査項目です。ほとんどの場合、節酒・禁酒、食事改善や減量、運動などで正常値を目指すことが可能です(胆道疾患や薬物性肝障害の場合は別です)ので、γ-GTP値が高めになった場合は生活を見直すことをおすすめします。また注意点としてγ-GTP値のみで疾患を疑うことは困難で、他の検査項目との関係も重要になってきます。自己解釈せず、診断は医師にまかせることが重要です。