2013年8月13日PM12時26分更新

【意外に知らない】静電気はどうして起きるのか?【電子の移動】


静電気が起きる理由

不意にバチッとくる静電気。嫌なものですが、意外にどうやって静電気が生まれているのかはあまり知られていません。静電気が発生する裏側はすこし難しい仕組みが働いているのですが、なるべく簡単に説明したいと思います。

静電気を発生させる物質の仕組み

静電気について理解するためには物質の仕組みについてすこしだけ知っておく必要があります。世の中にある物体は何らかしらの元素がたくさん寄り集まってできています。中には単体の元素ではなく、化合物(二つ以上の元素がくっついたもの例えば水H2Oなど)になっているものもたくさんありますが、元素(原子)一つ一つは原子核と電子が寄り合ってできています。

原子の中身

さらに原子核の中は陽子と中性子というものでできています。陽子は本来プラスの電気を帯びています。(プラスの電荷があるといいます)そして電子はマイナスの性質をもっています。通常の元素では陽子と電子の数は一緒になります。鉄は26個の陽子を持っていますので、電子も26個あります。水素は1個の陽子を持っているので電子が1個あります。陽子と電子の数が一緒なので元素は普通電気的にプラスにもマイナスにも偏らずにいます。

静電気は電子の移動が関わっている

電子は原子核のまわりを回っていますが、複数の電子がランダムに無秩序に回っているのではなく、決まった軌道(通り道のこと、電子殻といいます)を通っており、この軌道(電子殻)は複数の種類(太陽を回る惑星の軌道のようなイメージです)があります。元素ごとに電子の数は異なるので軌道の数も変わりますが、軌道(電子殻)ごとに何個電子が入れるか、また電子殻に電子が入る順番などは決まっています。

最外殻の電子

主に静電気に関係するのは、一番外側の軌道を通っている電子です。一番外側の軌道を通っている電子は外からの影響を受けやすいので、容易に他の元素へ移ったり、他の元素の一番外側の軌道から流れ込んできたりする場合があります(元素によって異なる)。上記で元素は陽子と電子の数は釣り合っていて普通プラスにもマイナスにも傾いていないと説明しましたが、電子が他に移ると陽子の数が勝りますので全体としてプラスに、電子が流れ込んでくると電子の数が勝りますので全体としてマイナスになります。

静電気は電気を通しにくいものに電気がたまること

物質を物質をくっつけたり、こすり合わせたり、衝突させたり、引き剥がしたりすると静電気が発生します。これはミクロな視点でいうと、物体を構成している元素の一番外側の軌道を通っている電子に影響を与えることになり、電子がどちらかの物質に移る為です。電子を失った方の物質はプラスに、電子を受け取った物質はマイナスになります。元素によって電子を放出しやすい、電子を受け取りやすいという性質がことなりますが、このようにして物質は電気を帯びることになり、そのことを帯電(電気を蓄える)といいます。

帯電するのは電気の流れにくい物質でよく起こります。紙やプラスチック、化学繊維などは電気を通しにくいことが分かると思いますし、これらが擦る合わさると静電気が発生するのも経験的に知っているのではないでしょうか?電気が流れにくいので帯電した電気は動きません。というより動けないといった方が いいかもしれません。動かない電気(電気を通しやすいものに触れない限り流れていかない)だから静電気というのです。

火花がでるのはなぜ?

帯電している状態でドアノブなどに触ると火花がでる場合がありますがどうしてでしょうか?私たちは靴を履いています。普通、靴は底がゴムです。ゴムは電気を通しません。その為、化繊生地などのすり合わせで生まれた静電気は、どこかに触れない限り、どこにも流れずに帯電しつづけます。それに対してドアノブはたいてい金属でできています。金属は一部を除いて電気を流しやすい物質です。

静電気で火花がでる

体にはプラスの電気が帯電しているとします。手がドアノブ近づくと、ドアノブの中のマイナスの電気が手のプラスの電気に引き寄せられてきます。このことを静電誘導といいます。プラスの電気とマイナスの電気の引き合いは距離が近くなるほどに強くなります。そしてドアノブに触れたとき、一気にプラスの電気とマイナスの電気はひっつきます。つまり電流が流れるわけです。この時に火花がでます。体にたまっていた静電気がドアノブ、ドア本体を通しておそらくは地面に流れて行ったということになります。

なぜ乾燥した時期に静電気がおきるか

水は電気を通します。それは水中の水分も同じです。上記では「化繊生地などのすり合わせで生まれた静電気は、どこかに触れない限り…」と説明しましたが、空気には常に触れつづけています。空気中に水分が多い場合は電気が流れやすいので、帯電した静電気は空気中に流れていくため静電気が起きにくいのです。日本では夏は湿気がありますので静電気は発生しにくく、冬は乾燥しますので静電気が発生しやすくなります。

静電気の仕組みは、すこし難しい話になってしまったでしょうか?身近なところではコピー機は静電気の力をつかって複製をとっています。レーザープリンタも静電気の力でトナーをコントロールしています。その他、空気清浄機にも静電気の性質が使われています。火花を出すだけではなく、静電気はなくてはならない側面もあるのです。