2013年8月15日PM12時44分更新

炭もダイヤモンドも炭素?


炭素

炭素というとどういったイメージがあるでしょうか?意外だと思いますが人の体の2/3は炭素でできています。炭素はさまざまな用途があり、さまざまな科学特性を持ちますが、特徴的なのは多くの同素体を持つことです。同素体とは同じ原子だが、結合の仕方で別なものになることを言います。炭素意外でも同素体をもつ元素はありますが、有用でおもしろい同素体をたくさんもっているのが炭素なのです。

炭素の同素体

ダイヤモンド

ダイヤモンド

人を魅了して止まないダイヤモンド。これも実は炭素の同素体なのです。炭素が正四面体の格子状に結合してさらに立体的に結合(8面体や12面体などになる)するとダイヤモンドになります。綺麗に結晶している為に透明になっています。ダイヤモンドは高圧・高温が維持されないといけないなど特定の厳しい条件下でしか生まれません。モース硬度というひっかきに対しての硬さが現在のところ最高であることからダイヤモンドは非常に硬いことでしられています。しかし実は金槌などで叩くと容易に割れます。また純粋な炭素なので燃えます。

グラファイト(黒鉛)

鉛筆

身近なところでは鉛筆の芯として使われていますので、目にすることも多い同素体です。炭素が六角形の格子状に結合して板のよう(この板はグラフェンと呼ばれ強度が高いことが分かっています)になり積み重なった状態となっています。板同士の結合は弱いのではがれやすい状態です。鉛筆などではそのはがれやすい性質を使っていると言えます。

ロンズデーライト

あまり聞き覚えのない同素体かもしれません。天然にはあまり存在せず、隕石衝突の熱と圧力で生じた同素体のようです。ダイヤモンドが正四面体の立体構造をとっていますが、ロンズデーライトは六面体が基本構成になっています。基本的には面の構成が違うだけでダイヤモンドと良く似ている性質をもつのではないかと言われています。そのため六方晶ダイヤモンドともよばれます。ダイヤモンドよりも硬い可能性があることが示唆されています。

無定形炭素

ダイヤモンドになりきれなかった炭素や黒鉛になりきれなかった炭素の構造クズが寄り集まっている状態です。一般的に炭というとこの無定形炭素を多く含んでいます。結晶にはなっていませんし、構造クズ同士も結合していませんので非常にもろい同素体です。

フラーレン

六角形

画像はイメージです

正五角形や正六角形の格子状の結合がボール状になったものが同素体がフラーレンです。良く知られているのはC60フラーレンで炭素60個でできているサッカーボールのような同素体です。炭素60個以上でできているフラーレンも発見されています。基本的には格子がきちんと繋がる個数であればよいので、炭素540個でできているものなど多数見つかっています。

カーボンナノチューブ

筒

画像はイメージです

グラファイトのところで説明したグラフェン(炭素が六角形の格子状に結合して板のようになったもの)が筒状になった同素体です。重さがアルミニウムの50%鋼鉄の強度の20倍以上という強さと、曲げても壊れにくい特性があります。また素材としての強さ以外にもエレクトロニクス用途でも様々な利点があることが分かりつつあり、次世代の素材として期待されています。発見は日本人であることも有名です。

どうでしょうか?炭素と一口にいっても様々な形態があることが分かっていただけたかと思います。グラファイトとダイヤモンド意外あまり目にする機会の無いものですが(ダイヤモンドもなかなかお目にかかれませんが)炭素の役者ぶりは結構すごいのです。