2013年8月27日AM11時27分更新

日本の高さの基準は東京湾の海面


高さの基準

日本は四方を海に取り囲まれ、平地と山岳が入り組んだ土地です。さまざまな場所に高低差がありますが、実際「高さ」の基準はどのようになっているのでしょうか?

日本の高さの基準は東京湾の海面の高さ

日本の高さの基準として、東京湾平均海面(Tokyo Peil:T.P.)が用いられています。東京湾の霊岸島(現東京都中央区新川付近)で1873年から1879年までの6年間に渡って、潮位を測定した記録の平均によって決められています。

験潮の仕組み

しかし海面は季節や月齢、天候などで常に変動する為、どこかに固定された高さの指標があった方が利便性が高いので、東京湾平均海面を元に、1891年5月、地上に基準点が設けられることになりました。これが「日本水準原点」となり、事実上、日本の高さの水準になります。最初は東京湾平均海面から24.500mの高さとして設置されました。

日本水準原点はて参謀本部陸地測量部があった東京都千代田区永田町1丁目(国会議事堂付近)に設置されています。この土地はいわゆる山の手台地で安定した岩盤とされ、日本水準原点を囲む建物は地下10mから基礎を組み立て堅牢に作られています。しかし関東大地震と東日本大地震の影響による地盤変動が観測され、現在は24.3900m(平成23年10月21日現在)と改められています。

現在も油壺験潮場(神奈川県三崎)での潮位観測と、定期的な水準原点→油壺間の水準測量によって水準原点の高さは点検されています。

海面の高さは一律では無い

東京湾平均海面を基準とした場合、北海道道東海岸(釧路、根室など)あたりの海面は低く、また北海道道南、東北、北陸、山陰、九州の日本海側の海面は高い状態にあります。基準とではおおよそ30cmくらい高さの違いがあります。一番低い海面と一番高い海面では60cmほど差があることになります。このような事情からも高さの基準となる潮位の測定が重要なことがわかります。

水準点同士の高さを測って繋げていく

日本水準原点をもとに重要な水準点として各地に「基準水準点」が全国に86箇所設置されています。基準水準点は再測量(測地の精度を保つために測量は定期的に行われています)の際の基準点になります。

「基準水準点」は重要な基準の為、できるだけ強固な岩盤で地盤変化の影響を受けにくく、またできるだけ移転される恐れのすくない場所(公園など)に設置されています。基準水準点を元に水準点が設置されています。水準点は一、二、三等の種類があり、国道沿いや主要幹線道路沿いなどに2kmごとに全国約22,000箇所が存在しています。

高さの測量

測量の原理は簡単で、2地点(基準水準点や水準点)に標尺を立てて、その中間に水準儀を設置して水平にし、2つの標尺の目盛をそれぞれ読みとります、その差から高低差を求めます。基本的に東京湾平均海面→日本水準原点→基準水準点→基準点とリレーのように高さの基準を繋いでいるのです。ですからどの水準点も東京湾平均海面からどのくらいの高さという事が分かり、こうして全国の高低差が測量されています。

高さの基準の重要性

基準点は非常に重要で、都市計画、ライフライン(電力、ガス、水道)の事業計画や管理、交通網の整備、地図作成などに利用され無くてはならないものです。 高さの基準が存在していることや維持する為の努力がなされている事はあまり知られていませんが、私たちの生活にも大きく関わっているのですね。