2013年11月16日PM9時43分更新

難易度S級がずらり!北海道釧路町の難読地名地帯


ひちりっぷ

北海道らしい難読地名のひとつ。「ひちりっぷ」と読む

道道142号根室浜中釧路線の難読地名地帯

北海道の地名はアイヌ語の発音が元になっているものが多く、地名漢字は音の当て字になっていることが大半です。その為初見では読むことが難しい地名がたくさんあります。その中でも北海道道東地方の道道142号根室浜中釧路線(通称 太平洋シーサイドライン)付近には難読地名がずらっと並んでいます。中にはどう考えても絶対に読めない難易度S級地名もあります。どんな地名があるのかまとめてみました。

難読地名集

仙鳳趾 せんぽうし

難易度★★☆☆☆

仙鳳趾

道道142号線難読地名地帯の中では簡単な部類です。「仙(せん)」と「鳳(ぽう)」はそのまま読めるので、「趾」を「し」と読めるかどうかですね。字面としては仙人と鳳凰を思わせるようなかっこいい地名だと思います。アイヌ語では「小魚がたくさんいる所」という意味になるそうです。 牡蠣と言えば広島が有名ですが、道東では厚岸の牡蠣が有名です。仙鳳趾でも牡蠣漁が盛んで厚岸産の牡蠣より仙鳳趾産が好きだと言う人もいるのだそうです。道道142号線難読地名地帯としては大きめの集落で、明治33年(1900年)開校の創立100年を超える仙鳳趾小学校がありましたが、少子化の波には勝てず閉校してしまったそうです。

古番屋 ふるばんや

難易度★☆☆☆☆

古番屋

道道142号線難読地名地帯の中では素直に読みやすい地名。そのまま読めます。字面から古くから漁師の番屋があった為に付けられた地名のように見えますが、アイヌ語の意味では「川下の陸岸が丘になっているところ」という意味になるそうです。

老者舞 おしゃまっぷ

難易度★★★★☆

老者舞

初見で読むことはおそらく不可能でしょう。「川尻に倉のような岩がある場所」という意味のアイヌ語がもとになっているそうです。この倉のような岩は大黒岩のことだろうと言われています。明治30年ころから漁師が定住するようになりました。この知方学のとなりで大き目の集落です。

知方学 ちっぽまない・ちぽまない

難易度★★★★☆

知方学

この地名も初見で読むことはできないでしょう。学の訓読みを雰囲気で当てているような状態です。 この地名はアイヌ語の「チプ・オマ・ナイ」もしくは「チェプ・オマ・ナイ」が元になってると言われています。「舟のある川」「魚のいる川」といった意味になり、いずれにしても漁場であったことが伺えます。知方学は道道142号線難読地名地帯では大きめの集落です。知方学小学校は開校100年を超える歴史ある学校です。またアメダスが設置されており、8月の平均最高気温がもっとも低い(20℃を下回る)地域としても知られています。

分遺瀬 わかちゃらせ

難易度★★★★★

分遺瀬

「遺」をどうして「ちゃら」と読ませるようになったのか。とても初見では読めません。アイヌ語の「ワッカ・チャラセ」が元になっており、「水の飛沫がたつところ」といった解釈になるそうです。分遺瀬は昆布漁の漁師が数軒定住し集落となっていたようですが、海岸の浸食等で現在ではほぼ定住者がおらず集落としては消えてしまう運命にあるようです。

賎夫向 せきねっぷ

難易度★★★★★

賎夫向

かろうじて最初は「せ」か「せん」などと読むのだろうということはわかるかもしれませんが、その後はさっぱり読めません。「はげ山で石が落ちるところ」と解釈できるアイヌ語読みが元になっているそうです。分遺瀬と同様に昆布漁の漁師が数軒定住していたそうですが、海岸浸食が激しく定住者は高台に移転したとのことで、旧集落はおそらく定住者がいない状態かと思われます。

入境学 にこまない

難易度★★★★★

入境学

どうしてこの漢字を当てたのか理解不能です。知方学と同じく「学」を「まない」と読ませるパターンですが、普通だったら「に」から読み始まることすらわからないでしょう。「川尻に流木の集まる川」と解釈できるアイヌ語が由来とされています。

初無敵 そんてき

難易度★★★★☆

初無敵

読みの雰囲気はわからなくもありませんが、初見で読める人がいたら驚きの地名です。字面が強そうでかっこいいです。「海沼」を表すアイヌ語「トンテキ」が元になっていると言われていますが、解釈には諸説あるようです。明治期には昆布漁が行われ数軒の家が集落をなし旅宿もあったそうですが、海岸浸食が激しく昭和40年ころには定住者がいなくなった集落です。現在では建物跡もほとんど確認できません。

冬窓床 ぶいま・ぶゆま

難易度★★★★☆

冬窓床

「床」をつける必要があったのか疑問がある地名。集落の近くにローソク岩と呼ばれる背の高い岩がある為「海の中の立岩」と解釈できるアイヌ語が元になっていると言われています。集落に降りる未舗装の道が閉鎖されていたことから、おそらくすでに定住者がいなくなった集落ではないかと思われます。

跡永賀 あとえが・あとえか

難易度★★☆☆☆

跡永賀

初見でも読めなくはない地名かもしれません。すくなくとも「あとえいが」などとは読めるのでは?「昔、海だったところ」という意味のアイヌ語が元になっていると言われています。跡永賀は道道142号線難読地名地帯では大きめの集落です。

浦雲泊 ぽんとまり

難易度★★★★☆

浦雲泊

「泊」はそのまま読みですが、「浦雲」を「ぽん」と読むなど予想だにしないでしょう。泊がそのままの読みなので難易度は4にしましたが、最強クラスの難読地名と言ってもいいかもしれません。「舟をもやいでおける場所」といった風な解釈ができるアイヌ語が由来になっているそうです。集落としては大きい方で数十軒の家があります。漁業を生業にする集落で急峻な海岸線には小さな港がありますが、昔は炭鉱も存在したそうです。集落に下る道は非常に急で降雪時などは上り下りに苦労するのだろうと思われます。

十町瀬 とまちせ

難易度★☆☆☆☆

十町瀬

これは素直に読むことができる地名ですね。「ト・マ・チ・セプ」というアイヌ語が由来で「トマ(エゾエンゴサク)が群生する場所」という意味になるそうです。すでに集落に続く道がロープが張られ閉ざされていたことから集落に定住者は居ないものと思われます。

来止臥 きとうし

難易度★★☆☆☆

来止臥

ほぼそのまま読めますが最後の「臥」を「うし」と読めるかですね。「キト・ウシ」というアイヌ語は由来で、「行者にんにくが群生する場所」といったような解釈ができるそうです。来止臥にはキャンプ場があり、道東をツーリングするバイカーにはちょっとした穴場として知られています。ただ営業期間が通年ではないので訪れる際は確認したほうがいいでしょう。集落としてはおそらく定住者は居ないものと思われます。

又飯時 またいとき

難易度★★☆☆☆

又飯時

まあまあ読める地名かもしれません。一応そのまま読めます。「海の瀬が荒いところ」といった解釈ができるアイヌ語が由来のようです。厚岸から釧路に行くときにこの辺で昼食を摂ったからという説もあるそうですが、それはすでに当てられた漢字を見ての解釈ではないかとされています。

まとめ

浦雲泊の集落からの眺め

浦雲泊の集落からの眺め

この地域は海岸のほとんどが断崖で、小さい瀬や砂浜などごくせまい土地に数軒~数十軒の家が集落を成しています。海岸沿いの陸路はありませんので、直接集落を往来することはできません。陸路では、道道142号根室浜中釧路線から海方向に分岐するように枝道が伸びており各集落に行き着くことができますが、かなりの傾斜率の荒れた道(集落への道のほとんどは舗装されていない)を降りることになります。

浦雲泊の舟止場

浦雲泊の舟止場。ほかの集落もこのように断崖のすきまにある。

近年高齢化が進んでいる為、近いうちに定住者が居なくなってしまう可能性が高い集落も多いです。いつ集落がなくなってしまうかわかりません。惜しいことですが住所としてはなくなってしまう運命の難読地名も多いのです。集落がなくなると案内看板なども撤去される可能性もあり地名を確認するのは困難になるかもしれません。

実は道道142号線難読地名地帯にはここで紹介しきれなかった難読地名がまだあります。実際に訪れることがあったらぜひ確認してみてください。