2013年12月19日PM4時40分更新

湿原に鎮座する「やちぼうず(谷地坊主)」


やちぼうず

やちぼうずとは

やちぼうずをご存じでしょうか?漢字で書くと「谷地坊主」となります。寒い土地の湿原などでこんもりと盛り上がった草の塊を見ることがありますが、それがやちぼうずです。スゲという植物があつまり、草の塊になるとやちぼうずとよばれるようになります。すこし変わった風景なので見かけると楽しい(不気味?)と思います。

やちぼうずはスゲの集まり

スゲは集まり一つの株を作ることがあります。年月が経つと株は安定し、新芽が株から次々にでて株は大きく成長していきます。また寒冷地では冬季に土が凍結します。土中の水分が凍ると体積が増えるため土は持ち上げられます。スゲの株も一緒に持ち上げられます。春になると雪解け水などで湿原は冠水しますが、その際株の周辺の土が洗われたり、削られたりして数ミリから数センチ程度少なくなります。そうして少しずつスゲ株は高く大きくなっていきます。

育ち始めたやちぼうず

育ち始めたやちぼうず

そして10年、20年と経つと数十センチ以上のやちぼうずができるのです。なかには100年や200年以上経過している大やちぼうずも存在します。100年単位になるとメートル規模になるやちぼうずもあります。もしかしたら超巨大やちぼうずがどこかに眠っているかもしれません。

生物にとってやちぼうずは大事なもの

やちぼうずの内部は根と土が密集していますが、表面的にはスゲで編まれたようになっており適度な隙間あって、小生物にとっては好ましい環境になっています。アリやダンゴムシなどの虫がたくさん身を隠しており、その虫狙ってサンショウウオなどがやってきてエサを摂ったり越冬したりします。そんな環境なので鳥や小動物もやちぼうずの周辺に集まり、生態系を作っています。なかにはやちぼうずを巣にする動物もいます。

大きなやちぼうずがたくさん

数十年育った大きなやちぼうずがたくさん

基本的にやちぼうずが育つ場所は土が肥えており、春にはたくさんの花が咲きます。やちぼうずの間を縫って水芭蕉やエゾエンゴザクが咲きとてもきれいな風景を作ります。

北海道の湿原に行く機会があったらぜひやちぼうずも探してみてください。