2013年12月25日PM3時05分更新

動脈硬化のリスク甚大!血圧コントロールの重要性を認識しましょう!


血圧コントロールの重要性

高血圧を放っておくと…

血圧が高めと健康診断ででたけど、自覚症状も特にないし、大丈夫だろうと思っていませんか?その慢心が動脈硬化からの合併症を引き起こす原因となっています。血圧をコントロールすることで動脈硬化のリスクをかなり軽減させることができます。動脈硬化はだれにでも起こり得ることで他人ごとではありません。

動脈硬化の仕組みを説明することで高血圧のリスクを認識してもらえると幸いです。動脈硬化のメカニズムにはいくつかありますが、代表的な二つの例を説明したいと思います。

動脈瘤となり重大な合併症を起こす「アテローム動脈硬化」

動脈と静脈は内膜、中膜、外膜という三層構造になっています。内膜のさらに内側には内皮という組織があります。

高血圧の状態になると、一番内側の内皮が圧に押されてすこしずつ傷つきます(はがれるようなイメージ)。その傷に血中のLDLが入り込んでしまう事態が起こります。一般的にLDLは悪玉コレステロールと言われていますが、内皮に入ってしまうのは酸化した古いLDLです。

LDLはコレステロールを各組織に運ぶタンパク質の形態ですが、コレステロールが多すぎるとLDLはコレステロールを必要な場所に下ろすことが出来ず、役目を果たせないまま血中を漂ってしまいます。そのうちLDLは酸化され古くなってしまうのです。

アテローム動脈硬化

アテローム動脈硬化の仕組み

この酸化LDLが内皮に入り込むと、体にとってはごみなので掃除しなくてはなりません。抗体の単球がマクロファージに変化しLDLを食べて掃除しようとしますが、マクロファージはおなか一杯になると死んでその場に留まってしまいます。そんな状態が続き、簡単にいうと膿がたまったような状態になるのです。

マクロファージやコレステロールは結局排除されずにその場に溜まり続け、膿の塊のような柔らかい瘤になります。お粥のような柔らかさの瘤なので粥腫(プラーク)とよばれます。この状態が粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)と言われます。

粥腫が出来ることで血管は狭くなり、少し血管収縮しても血流が途絶えてしまったりします。こうして心臓や脳が必要としている酸素や栄養が行き届かず、心筋梗塞を起こしたり、脳梗塞を起こしたりするのです。

血管が硬くなり破裂の危険がある「中膜石灰化動脈硬化」

血管には内膜、中膜、外膜があると説明しましたが、このうち血管の弾性を主に司るのは中膜です。中膜には筋肉もあるのですが、加齢などの原因で中膜の筋肉にカルシウムが溜まり始めます。中膜石灰化という状態です。高血圧はこの中膜石灰化を促進させ、血管から弾力を失わせてしまうのを手伝ってしまいます。

これは高血圧に耐える為に、血管が硬く太くならなければならなくなるからと言われています。中膜石灰化が進むと結果的に血管内径が狭くなり、血流が滞る原因になります。

弾力性が失われることでのデメリットのもう一つは血管の線形です。通常血管は緩やかなカーブを描きますが、弾力がなくなると直線的でガタガタな線形になります。スムーズなカーブの血管と折れ曲がった血管のどちらが血液を通しやすいか想像に難くないと思います。

さらに弾力を失った血管は非常に破れやすくなります。これが脳の血管で起これば脳卒中、心臓では胸部大動脈瘤破裂となります。いずれも致死率が高い症状です。存命できても全身に麻痺が残ったり、言葉を失ったり、意識障害を起こすなど健康的な生活は取り戻せない可能性が高いと言わざるをえません。

動脈瘤は一度出来てしまうと薬では直せない

怖いことに動脈硬化で発生した動脈瘤は現時点では薬で治すことができません。治療には外科的手法しかありません。一度、動脈硬化を起こし瘤が出来始めると血圧をコントロールしても大きくなってしまう可能性があります。その為、血圧コントロールは早ければ早いほど動脈硬化による合併症を食い止めることができる可能性があります。

いち早い血圧コントロールがリスクを減らす

一般的に140mmHg/90mmHg以上になると高血圧だと診断されますが、血圧の適正値は収縮期血圧120mmHg(俗にいう「上」の血圧)程度であるとされているため、油断は禁物でです。特に加齢の条件が加わると130mmHgを常時超えているような境界線の状態でも、動脈硬化のリスクは高まります。

他の要素(脂質異常症、糖尿病、高コレステロール、脂肪肝、肥満の生活習慣病)があればさらに、リスクは高まっていると考えてください。脳梗塞、脳卒中、動脈瘤、動脈瘤破裂などの動脈硬化の合併症の治療費は後遺症の介護費なども含めると長期にわたって非常に高額になり、経済的にも苦しめられる結果を招きます。

血圧が高血圧領域にないからといって安心せず、普段から減塩する、適度な運動をする、血圧を下げる効果のあるカリウムを含む食材を多く摂るなどの心がけでリスクを減らすことができます。150mmHg程度のⅠ度(軽症)高血圧でも、治療せず血圧コントロールをしないままでいると、一年程度で動脈硬化に至り、重大な合併症に至るケースもあります。

最も効果のある血圧コントロールは降圧剤ですので、もし健康診断で血圧が高めの結果となったら、すこしでも早く病院で診察を受け、しかるべき処置を受けることが重要です。