2014年1月11日PM11時38分更新

腰や首が痛い人は必見!椎間板ヘルニアについての基礎知識


椎間板ヘルニアについて

多くの人が苦しむ椎間板ヘルニア。日常生活にも支障をきたす場合もあり、厄介な病気です。今回は知っているようで知らない椎間板ヘルニアの基礎知識をまとめてみました。

椎間板ヘルニアが起きる理由

多くの動物は4足歩行の為、背骨は地面に平行となります。しかし人間は二足歩行の為、地面に対して背骨が垂直となります。つまり人間の場合、背骨に縦方向に重力が掛かることになります。そのような事情で、人間の脊椎は縦方向に押しつぶされるような力が掛かりやすいようになっています。

人間の脊椎はそういった縦方向の重力をよりよく分散できるようにカーブを描いています。理想的な形の場合、脊椎にかかる負荷は最小になりますが、何かの理由でカーブが崩れると、負荷が増大する可能性があります。この時、力のかかり方によっては一点に負荷が集中してしまう場合があります。

そうなると脊椎を構成する椎体にかかる負荷は通常よりもはるかに大きくなります。椎体と椎体の間に存在する椎間板は重力に耐えられるようにクッションの役割を果たしていますが、想定しない力が掛かるとずれてしま飛び出てしまう場合があります。このような症状のことを椎間板ヘルニアと呼びます。ヘルニアとは飛び出るという意味があります。(その為脱腸のこともヘルニアと呼びます)

ヘルニアになりやすい場所

椎間板ヘルニアの位置で一番多いのは下位腰椎(第四腰椎、第五腰椎)、下位頸椎(第五~七頸椎)とされています。これは脊椎の稼働頻度の高い部分に発症しやすいということを表しています。その為、稼働しにくい胸椎の椎間板ヘルニアは少ないとされています。

椎間板ヘルニアが発症する原因

たとえば脊椎に負荷の掛かりやすい姿勢を長時間している、強い衝撃を慢性的に受けている、脊椎のカーブに歪みがある、重いものを持ち上げることが多い、屈むことが多い等が原因とされます。スポーツも原因になりえます。また加齢も原因の一つです。近年では椎間板ヘルニアには遺伝要素が強く関係しているという研究結果も出ています。これは椎間板を形成する軟骨を作り出す機能が低下する為と言われています。

ヘルニアで痛みが発生する仕組み

ヘルニアで痛みが出る理由

椎間板が飛び出る方向はさまざまですが、後ろ方向に飛び出る場合があります。脊椎には脊髄腔というトンネルがあり、その中に脊髄が通っています。この脊髄に飛び出た椎間板が圧力を掛けると痛みが発生します。

その為どの椎体の神経が圧迫されるかで、痛みの出方や症状の現れる場所が変ってきます。たとえば第二腰椎(L2と呼ばれます)だと腰痛、第三腰椎(L3と呼ばれます)だと股関節痛といったようになります。

若い人のヘルニアは特に若年性椎間板ヘルニアといいます。若い人の場合、椎間板内圧が高く、より力が働いてしまう為に、高齢者に比べ痛みや症状が強くなってしまう可能性があります。

腰椎椎間板ヘルニアの場合

腰椎椎間板ヘルニアの場合、下肢痛が多いとされます。中程度の症状では片側下肢のみに痛みが出る場合が多いとされていますが、ヘルニアが大きいと両側に痛みが出る場合もあります。よく言う坐骨神経痛は腰椎椎間板ヘルニアが原因となっている場合がほとんどです。症状が重たいと、しびれ、動作障害、排尿障害、感覚障害なども症状として挙げられます。

頸椎椎間板ヘルニアの場合

頸椎も腰椎と同じように位置によって痛みの箇所や出方が変わりますが、一般的には片側の手や腕や肩に強い痛みが出る場合や、両腕にしびれや動作困難を伴う場合が多いとされています。後頭部の違和感やしびれ、首や肩の筋肉の異和感や緊張感を伴う場合があります。その為、血流が悪くなり二次的に頭痛などを伴う場合もあります。

ヘルニアの治療

基本的に保存療法となります。ヘルニアには無症状の場合もあり、治療選択は症状の出方で変わってきます。おなじ腰椎椎間板ヘルニアでも椎体位置が違えば治療方法が異なる場合があります。一般的には鎮痛剤の処方、牽引療法、温熱療法などを組み合わせることが多いでしょう。

症状が重い場合、特に痛みが強い場合は神経ブロック注射を行う場合があります。神経ブロックは麻酔の一種で、該当する神経領域へ局所麻酔薬を浸透させることで痛みを取る治療です。この治療では痛みの軽減を図るのが目的の為、ヘルニアをなくす根本的な治療にはなりません。

保存療法でも症状が治まらない、または重症化している場合は手術を行う場合があります。さまざまな手術方法がありますが、基本的には神経を圧迫している椎間板を削ることになります。ただし手術は万能ではなく、痛みや症状が必ずしも無くならない場合もあると言われています。また再発の可能性も少なからず存在しています。

ヘルニアに完治はあるか

ヘルニアは完治する可能性があります。飛び出た椎間板は免疫であるマクロファージが食べることで、自己治癒的にヘルニアが改善される場合があります。これはヘルニアが見つかった場合に保存療法を第一に適応する理由です。

椎間板ヘルニアの予防

普段から姿勢に気を付けることが重要です。長時間同じ姿勢を取らない、屈んだ姿勢をなるべくしない、重いものを持ち上げるなどの無理をしないことが重要です。また急激な姿勢の変化も禁物です。腹筋と背筋、特に脊柱起立筋は姿勢を正し、脊椎に受ける重力を支えてくれますので、鍛えることでヘルニアの予防になります。また肥満は単純に負荷が掛かる原因となりますので、解消するのがいいでしょう。

筆者は胸椎椎間板ヘルニアですが、医師からは適度なウォーキングを進められました。筋力強化、姿勢強化、体重減少など複数の効果がある上に運動強度として負担が掛かりにくいということです。

ヘルニアで整体やカイロプラクティックはNG

椎間板ヘルニアに対して、整体やカイロプラクティックでは治療効果は無いとされています。これらの治療は骨のずれなどを改善するためのものであり、椎間板を元の位置に戻せる方法ではないためです。不用意な施術は高確率でヘルニアを悪化させる可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

椎間板ヘルニアの痛みは経験している人ならわかると思いますが、なかなかに辛いものです。筆者は背中が痛くて病院に行って撮ったレントゲンを見た時の衝撃が忘れられません。第七胸椎の椎間板が通常の半分くらいの厚さになっていて、びょこんと飛び出していました。しかしながら症状はそれほど重たくなく、保存療法で経過は順調です。もし気になる症状があったら病院に行って診察してもらうことをお勧めします。