タグ別アーカイブ: 部品

2013年12月12日PM10時53分更新

知っていて損は無いめっき(鍍金)の基礎知識


めっきについて

めっき(鍍金)とは

物体の表面に金属の被膜を作ることがめっきとよばれます。漢字で書くと「鍍金」です。いくつかの説がありますが、2000年前ころにはめっき技術が確立されていたのではないかとされています。日本でも古くは仏像などを作るときに用いられていたとされています。奈良の大仏は水銀と金を用いためっきの技法で作られていることがわかっています。現在では複数のめっき技法が確立しており、めっき製品は多く目にします。

めっきの目的

めっきの目的の一つとしては機能の強化があります。強度、耐摩耗性、耐腐食性などの性質を素材に付加するのです。鉄は加工しやすく使いやすい金属ですが、そのままでは酸化しやすく、空気中の水分でも錆びてしまいます。その為、鉄に耐腐食性を付加する為にめっき技法が用いられます。「トタン」は鉄に亜鉛でめっきしたものです。

トタン

トタンでは元の鉄より錆びに強くなっている。

まためっきは表面に高級感を出したり、素材感を変えたりすることにも使われます。アクセサリーなどでは卑金属(比較的安価な金属)を金や銀でめっきすることによって金製品や銀製品などより安価な製品を作ることが可能です。

アクセサリーの部品

めっきが施されたアクセサリーの部品

めっきの方法

めっきにはさまざまな方法があります。一般的なめっきは電気めっきです。これは電流を利用しためっき方法です。原子には電子を失いやすかったり、電子をもらいやすかったりする性質があり、原子の種類によって異なります。この時電子を失いやすい金属原子は陽イオンに、電子をもらいやすい金属原子は陰イオンと呼ばれます。

めっきに用いる金属をプラス極、めっきを施す素材をマイナス極として、めっきに用いる金属を電解液(めっき液)に浸し電流を流します。めっきに用いる金属はめっき液に溶け出しつつ電子を放出してプラスを帯びた陽イオン(金属陽イオン)となります。この陽イオンはマイナス極に引き付けられます。素材表面に陽イオンが集まり、素材に流れてくる電子を受け取り素材表面に薄い膜を作ります。

電気めっきの仕組み

電気めっきの仕組み

この性質を利用して電流量やめっき液などを調整してさまざまな金属がさまざまな厚さでめっきに用いられています。

金属ではないプラスチックなどの素材にめっきする際は電気めっきは用いることができません。この場合は酸化と還元剤を利用して電子の流れを生み出すことによって素材表面に金属を析出させめっきします。このめっき方法は無電解めっきと呼ばれます。

そのほかにも、溶解した金属(主に亜鉛)に素材を浸してめっきする溶解めっき、金属を蒸気にして素材に蒸着させる蒸着めっきなどの方法があります。

洗浄の重要性

めっきは金属の被膜を密着させる必要がありますので、素材表面の洗浄がとても重要になります。洗浄が十分でない場合、被膜の形成不足や密着不足となり、質の悪いめっきとなります。

めっきの洗浄工程はめっきの質を左右しますので、複数の行程があります。素材表面には複数の汚れが考えられます。

油膜、酸、アルカリ、ごみやほこり、化学物質、めっきには好ましくない金属皮膜等を化学溶剤での洗浄、アルカリ物質での洗浄、電解での洗浄、酸での洗浄、研磨など複数の方法を用いて行います。めっきの為の洗浄は工業規格になっています。

まとめ

近代では1840年ころにイングランドのジョージ・リチャーズ・エルキントン、ジョン・ライトらが電気めっきの特許を取得しバーミンガムに工場を稼働させたことで世界的に広まりました。

めっき技法により耐摩耗や耐腐食を備えた質の良い部品を生み出されたことで自動車産業が盛んになった側面もあります。また19世紀後半には航空産業を支えるとともにますますめっき技術は発展しました。

工業化されてから170年近くが経っている古い技術ですが、いまだに重要な技術であり日々改良がおこなわれています。