リアブレーキパッドの交換
ツーリング中にリアブレーキから異音がしているのに気が付きました。ブレーキパッドを見ると恐ろしいことに完全になくなっていました…。もうちょっと余裕があると思っていたのですが油断していました。そこでバイクショップで交換をお願いしようと思ったのですが、なかなか予約が取れません。
仕事の都合などで、ショップに行ける日も限られるので、さらに予約が取れにくく、このままだと一か月以上バイクに乗れない可能性が出てきてしまいました。そこでやや不安ではありますが、自分でブレーキパッドの交換をしてみました。
ネットで調べてもV-Strom250のリアブレーキパッドの交換に関してクリティカルな記事や動画が見つけられず、結構迷ったので参考になるかはわかりませんが記事にしておきたいと思います。
ブレーキ周りの整備ミスは重大な事故につながります。この記事は素人が書いており、正確性に欠けている可能性が高いです。できればバイクショップなどプロの整備士に任せる方が安全です。
ブレーキパッドの購入
V-Strom250用のリアブレーキパッドは各メーカーから販売されています。自分はデイトナの通称赤パッドを購入しました。価格はAmazonでおおよそ3500円くらいだと思います。もっと安いものもありましたが、初めての交換作業なのもあり、有名メーカーのパッドにしました。
バイクの車種によって使えるブレーキパッドの形状も違うので、間違ったものを買わないように、よく確認してください。
あると良い工具など
一応車載工具ですべての作業は行えますが、ラチェットレンチなどがあるとより作業はしやすいです。また、予算に余裕があるならトルクレンチもあるとネジ取り付け時により適正な締め付けを行えます。
キャリパーの清掃にグリス、パーツクリーナー、ウエス(ショップタオルなど)が必要です。
もしブレーキキャリパーの汚れがひどい場合は、ブラシなどもあると良いです。
あとは軍手などで手を保護するようにしましょう。
マフラーの外し方
ブレーキパッドを交換するだけなら、マフラーを取り外さなくても出来なくはないのですが、作業のしやすさを考えると、マフラーは外すことをお勧めします。
マフラー(正確にはマフラーガード部分)を外すためには2か所のネジを外します。一つはマフラーガード上のネジ、もう一つはマフラー接続部です。
まずマフラーガード上のネジを緩めて、ネジを引き抜くだけの状態にしておきます。こうしておくとマフラーが不意に落ちてしまうのを防げます。
そうしてもう一つのマフラー接続部のネジを外します。ここは輪になっている部品でマフラー管を締め付けています。そのためその部品を緩めることで、接続部からマフラーを引き抜けると思います。
この2か所を外すとマフラーははずれ、キャリパーへの作業空間を確保しやすくなります。(マフラーがあると工具がキャリパーに届かせにくい、挿しにくいと思います)
ブレーキパッドを外す
ブレーキパッドはサポートピンという部品で繋がれており、キャリパーから脱落しないようになっています。この段階ではキャリパー自体は固定されている方が作業がやりやすいと思います。
V-Strom250のサポートピンは蓋ネジとサポートピン事体が六角ネジで留まっています。車種を限定しない記事や動画では割りピンを外してハンマーで打ち外すといった内容で説明している場合がありますが、V-Strom250では割りピンはなく、ネジで留まっているためハンマーで打ち外すことはできません。
まず蓋ネジをマイナスドライバーで外します。
さらにサポートピン自体を六角レンチで緩めると、サポートピンが引き抜けると思います。
古いブレーキパッドを外したら、ブレーキキャリパーを清掃します。ここからはおそらくキャリパーを外した方が、清掃しやすいと思います。
ブレーキキャリパーも2か所で留まっており、レンチで緩めると外れます。キャリパーにはホースが繋がっていますが、外さないようにしてください。
キャリパーが外れたら、ブレーキパッドが収まっていた部分を主に清掃します。パーツクリーナーを吹きかけつつ、ウエスで汚れを取ります。ブレーキパッドから出たカスなどがこびりついている場合がありますが、念入りに清掃しておきます。
カスはピストンにくっついて中に入ると、ピストンシールを傷つける可能性があるそうですので、できるだけ取り除きます(洗剤などで水洗いする清掃を紹介している動画もありました。念入りにメンテナンスするならそういった方法もアリなようです)
清掃ができたら、ピストン部分にグリスを塗布し、ピストンを押し戻します。ピストンはかなり固いので苦労するかもですが、人力で戻せます。それなりに戻さないとブレーキパッドが入らないので、がんばります。
ピストンにグリスを塗り、押し戻してはブレーキを踏んで…を繰り返すメンテナンスのことを「揉み出し」と言うそうです。自分はあまりしっかりやりませんでしたが、本来は揉み出しをきっちりやった方がよいそうです。
リアブレーキフルードタンクの蓋を開けることで圧が抜けて戻しやすくなるそうです。(自分は蓋を開けることなく戻してしまったのですが、正しい方法なのかはわかりません)
ピストンを戻すことができたら、ブレーキパッドを取り付けますが、ブレーキディスクに当たる面の角をやすりで少し削っておくと、ブレーキ鳴きを軽減できるとのことです。またブレーキパッドの裏面のピストンが当たる部分に薄くグリスを塗っておきます。
サポートピンを戻し新しいブレーキパッドを繋げ、キャリパーを固定しなおします。
各ネジやナットには取り付けトルクが決まっていますのでトルクレンチがある方はマニュアル等で確認してください。自分はトルクレンチが無いので手動で締めていますが本来はトルク管理をするべきです。
サポートピン側はサポートピンで固定されますが、逆側は切り欠きがブレーキキャリパーの段差にはまるだけの仕組みになっています。2枚のブレーキパッドがちゃんと段差に収まっていないとタイヤが回らないどころか、破損する可能性がありますので注意です。
エンジンをかけてタイヤを回す前に、手でタイヤを回してちゃんと360度回転するか確認すると良いでしょう。実は自分は奥側の1枚がちゃんと嵌っておらずタイヤが回りませんでした。気が付かないままエンジン掛けてタイヤまわしていたら、おそらくブレーキ周辺が壊れていたと思います…。
リアブレーキを何度か踏んで、ピストンをブレーキの掛かる位置まで戻します。この位置は特に調整しなくても「ブレーキを踏んだ時にパッドがパッドディスクに当たる位置」になってくれるようです。
これをしないとブレーキが利かない状態になっているので、試走するにしても危ないです。
自分の時はブレーキを引きずることもなく、踏めばブレーキパッドがちゃんと当たる状態になりましたが、それで正しいのかはわかりません。
取り外したマフラーを戻します。
最後に道路に出る前に、ブレーキがちゃんと動作するかを駐車場などで試走して確認します。ちゃんと取り付けられていない場合、事故につながる可能性があるので細心の注意が必要です。
以上が自分が行ったV-Strom250のリアブレーキパッド交換の行程です。
ブレーキパッドの自交換について
交換自体はそこまで難しくなかったのですが、初めてだったので慣れておらず、特にサポートピンをどう外すのかで結構迷いました(割りピン抜いてハンマーで打ち外すという情報が頭にあったため)
また、いまのところブレーキは正常に動作しており、不具合などはありませんが、やはりブレーキと言う安全装置を素人が整備していいのかという一抹の不安はあります。
時間やお金に余裕があるなら、やはりバイクショップなどでプロの整備士に作業をお願いする方が安心だなと思います。ただ、今回ブレーキパッドを交換してみたことで、ブレーキ周りの構造について勉強することができ、バイクの知識が少し増えたのは良かったと思います。
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