2013年8月18日AM11時41分更新

界面活性剤で汚れが落ちる理由


界面活性剤の働き

界面活性剤とは良く聞くけどいったいどんな働きをしているか、知っているようで知らない人も多いかもしれません。界面活性剤はさまざまな働きをもっていて、洗う事に無くてはならない成分です。界面活性剤についてまとめてみました。

洗剤の主成分は界面活性剤

界面活性剤とは「水にとけない油汚れを水に溶けるようにする」成分です。洗剤や石けんには界面活性剤が入っていてこれが洗浄成分の主成分となります。

親水性と疎水性

水に溶けやすい性質を親水性と言います。界面活性剤はこの親水性(親水基→水と馴染む構造)と水を嫌う疎水性(疎水基→水を嫌う構造)の両方をもっています。両端がそれぞれ親水基と疎水基になっているようなイメージです。

界面活性剤の働き

界面活性剤は何らかの境目に集まる性質を持っています。洗剤や石けんの界面活性剤なら水とそれ以外の境目=界面に対して集まるようになります。これは界面活性剤の疎水基が水を避けるために、水の無いところに行きたがるからです。しかし界面活性剤がある濃度に達すると界面が界面活性剤で埋め尽くされて、疎水基が水を避ける事ができなくなります。

界面活性剤はミセルになる

そうすると今度は界面活性剤の疎水基同士がお互いに向き合い水を避けるようになります。イメージとしては疎水基を内側に親水基を外側にしたボールのような状態になります。このボールのことを「ミセル」といい、ミセルが形成される濃度を「臨界ミセル濃度」いいます。

ミセル

疎水基は水を嫌うと同時に油と馴染みやすい性質がありますので、ミセルは内部に油を取り込むことができます。このことを「可溶化」と言います。ちなみに洗剤は泡立ちますが、これも界面活性剤の特性が関係しています。一般に臨界ミセル濃度以上になると泡立ちがよくなるとされています。つまり泡立ちがいい時は洗浄力の強い洗浄水になっているということです。

乳化で油を水中に安定化させる

水と油が混ざらない理由としてお互いの表面張力があります。なるべく自分たち同士でまとまって界面の面積を最小にしようとする性質が表面張力ですが、界面活性剤はこの表面張力を弱めます。そうすると水の中にたくさんの油滴ができることになります(水と油の境目=界面の性質が弱まるので表面積が広くなっても安定している状態になる)つまり水に溶けたような状態になるのです。このことを乳化といいます。

マヨネーズは本来混ぜられない酢と油を卵黄を乳化剤(界面活性剤)として混ぜたものですが、乳化とはまさにマヨネーズのことをイメージしてもらえればと思います。

油に取り付きしまいこむ

ミセルは油汚れに吸着し、ボールの内部に油をしまいこみます。ボールの外側は親水性がありますので、油を取り込んだミセルは水中に馴染んで存在できます。ミセルはなるべく散らばって存在しようともしますし、浮き上がろうともします。

油汚れに作用する界面活性剤

こうして油汚れはミセルに取り込まれた状態で水中に安定していられるようになるのです。汚れがとれたものには界面活性剤がはりつきますので、二度と汚れが戻ることはありません。こうして洗濯や食器洗いで油汚れがとれ、水ですすぐことができるようになるのです。

洗剤と石けんの違いは界面活性剤の違い

言葉上の意味としては洗剤は「汚れを洗い落とすために用いる物質の総称」で石けんも洗剤となります。成分としての違いでは石けんは石けんという界面活性剤のみを使っているものです。そのものの名前と界面活性剤の名前が同じなのでややこしいですね。

より詳しく言うと「脂肪酸または脂肪酸混合物のアルカリ塩」=「純石けん分」のみが界面活性剤として使われており他の界面活性剤が使われていないものが「石けん」になります。これに対して「純石けん分」以外の界面活性剤(多くは合成界面活性剤)が30%以上のものを「合成洗剤」に分類され、30%以下のものは「複合せっけん」という分類になります。